「来月から地方に転勤と言われた」
「断ったら解雇になると言われた」
「家庭の事情があって行けない…それでも従うしかない?」
転勤命令は、
会社の人事権の中でも特に強い権限の一つです。
ですが、
会社が言えば絶対
拒否=即アウト
という単純な話ではありません。
この記事では、
転勤命令に従う必要がある場合
拒否できる可能性がある場合
裁判で争われるポイント
よくある誤解
を、現実ベースで整理します。
■ まず前提:会社には「人事権」がある
労働契約では、
どこで働くか
どんな業務をするか
について、
ある程度会社に決定権があります。
これを「人事権」と呼びます。
多くの就業規則には、
「業務上の必要がある場合、転勤を命じることがある」
という条項が入っています。
この条項がある場合、
原則として転勤命令は有効になりやすいです。
■ それでも転勤命令が無効になる場合がある
人事権は広いですが、
無制限ではありません。
裁判では、主に次の点が見られます。
① 業務上の必要性
② 不当な動機・目的の有無
③ 労働者の不利益の程度
この3つを総合的に判断します。
■ 業務上の必要性がない転勤
例えば、
明確な配置理由がない
嫌がらせ目的が疑われる
形式的な理由しかない
場合は、
無効とされる可能性があります。
■ 「嫌がらせ転勤」は違法になり得る
人事異動が、
退職に追い込む目的
報復的な措置
であれば、
権利濫用と判断されることがあります。
特に、
ハラスメント申告後の転勤
組合活動後の転勤
などは慎重に見られます。
■ 家庭事情はどこまで考慮される?
ここが一番相談が多い部分です。
介護
重度の持病
子どもの特別な事情
など、
生活に重大な影響がある場合、
不利益の程度が大きい
として、無効と判断される可能性があります。
ただし、
単に「行きたくない」
「生活が変わるのが嫌だ」
だけでは足りません。
■ よくある誤解①「正社員だから絶対断れない」
正社員でも、
転勤が無効になるケースはあります。
契約内容
採用時の説明
職種限定契約
などが影響します。
■ よくある誤解②「拒否=即解雇」
拒否しただけで即解雇、
というのは乱暴です。
ただし、
合理的な転勤命令を
正当理由なく拒否し続ける
と、懲戒や解雇の問題に発展することはあります。
■ 争う前に整理すべきポイント
転勤を争う場合、
まず確認すべきは次の点です。
就業規則の内容
労働契約書の記載
採用時の説明内容
転勤理由の具体性
家庭事情の証拠
感情で動く前に、
事実整理が不可欠です。
■ まとめ:転勤命令は「原則有効、例外あり」
転勤命令は、
原則として有効
ですが、
無制限ではない
というのが実務のバランスです。
拒否できるかどうかは、
理由
経緯
不利益の程度
によって変わります。
★ お問い合わせ・ご相談について
当事務所では、
転勤命令の有効性チェック
拒否できる可能性の整理
争う場合の見通し整理
転勤と退職・解雇リスクの関係整理
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