「労災申請をしたけど、不認定になってしまった」
「もうこれで終わりなの?」
「会社が否定している以上、無理なのでは?」
過労死や精神疾患の労災申請では、
最初の判断で不認定となるケースも少なくありません。
しかし、不認定=完全に終わり、というわけではありません。
労災には、
不服申立という制度
が用意されています。
この記事では、
労災不認定とはどういう意味か
不服申立の仕組み
進め方の流れ
現実的に気をつけるポイント
を、実務ベースで整理します。
■ 「不認定」とは何を意味するのか
不認定とは、
「業務との因果関係が認められない」
「労災の基準を満たさない」
と労働基準監督署が判断した、という意味です。
重要なのは、
事実がなかった
苦しみが否定された
という意味ではない、ということです。
あくまで、
労災認定基準に当てはまらなかった
という行政上の判断です。
■ 不認定は珍しいことではない
過労死・精神疾患の労災では、
証拠が不足している
出来事の整理が不十分
医学的評価が弱い
といった理由で、
最初は不認定になるケースも多くあります。
そのため、
不認定=失敗
と考える必要はありません。
■ 不服申立の基本的な流れ
労災が不認定となった場合、
次の段階に進むことができます。
▼ ① 審査請求(第一段階)
労働基準監督署の判断に対し、
都道府県労働局の
労災保険審査官
に審査を求めます。
期限は、
原則として3か月以内です。
▼ ② 再審査請求(第二段階)
審査請求でも認められなかった場合、
労働保険審査会
に再審査請求を行います。
こちらも期限があります。
▼ ③ 行政訴訟(裁判)
再審査請求でも否定された場合、
裁判で争うことも可能です。
■ 不服申立は「もう一度審査してもらう」手続
不服申立は、
感情的な抗議
会社への文句
ではありません。
新たな資料
主張の整理
医学的意見
を提出し、
「判断が間違っている」
「再検討してほしい」
と求める手続です。
■ 不服申立で重要になるポイント
▼ ① 何が否定されたのかを理解する
不認定理由には、
労働時間が足りない
心理的負荷が弱い
医学的因果関係がない
など、理由が書かれています。
まずは、
どこが否定されたのか
を正確に把握することが重要です。
▼ ② 新しい資料を出せるか
単なる「納得できない」では、
結果は変わりません。
例えば、
新たな勤務記録
追加の証言
医師の意見書
日記・メモ
など、
補強資料があるかどうかが鍵になります。
▼ ③ 主張を整理し直す
最初の申請では、
出来事の整理が甘い
論点がぼやけている
ケースも多くあります。
不服申立では、
どの点が誤っているのか
どの証拠で補うのか
を明確にします。
■ よくある誤解①「会社が反対しているから無理」
不服申立も、
判断するのは国の機関です。
会社の意見だけで、
結論が決まるわけではありません。
■ よくある誤解②「弁護士がいないとできない」
不服申立は、
本人や遺族だけでも可能です。
ただし、
医学的な評価
証拠整理
主張構成
が難しくなるため、
専門家に相談することで結果が変わることもあります。
■ 不服申立は精神的にも負担が大きい
過労死や精神疾患の案件では、
家族の喪失
本人の病気
と重なり、
手続自体が大きな負担になることもあります。
無理をせず、
サポートを受けながら進めることも大切です。
■ 不服申立をするかどうかの判断基準
次の点を考える必要があります。
新しい証拠が出せるか
理由に納得できないか
時間と労力に耐えられるか
結果を受け止められるか
すべてのケースで、
不服申立が正解とは限りません。
■ まとめ:不認定は「終わり」ではない
労災が不認定となっても、
審査請求
再審査請求
裁判
という道は残されています。
重要なのは、
なぜ否定されたのか
何を補えるのか
進む価値があるか
を冷静に整理することです。
★ お問い合わせ・ご相談について
当事務所では、
労災不認定理由の分析
不服申立をすべきかの判断
追加資料の整理
審査請求・再審査請求の進め方
行政訴訟への移行の検討
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