「過労死って、全部が労災になるわけじゃないの?」
「長時間働いて亡くなったら、自動的に労災認定されるのでは?」
「会社が認めなければ、労災にはならない?」
過労死に関する相談で、
多くの方が最初に抱くのが、こうした疑問です。
労災認定は、厳密な基準で判断されます。
つまり、
長時間労働=自動的に労災
ではありません。
この記事では、
過労死が労災と認められるための基本条件
よくある誤解
認定の際に見られるポイント
を、実務ベースで整理します。
■ そもそも「過労死」とは法律用語ではない
まず大前提です。
「過労死」という言葉は、
実は法律用語ではありません。
法律上は、
業務上の疾病
業務上の死亡
として、労災保険で判断されます。
過労死とは一般的に、
長時間労働
強い業務ストレス
が原因で、
脳・心臓疾患
精神疾患による自死
などに至ったケースを指します。
■ 労災認定で問われるのは「業務との関係」
労災認定で一番重要なのは、
「その死亡や病気が、仕事が原因かどうか」
です。
専門用語では、
業務起因性
業務遂行性
と呼ばれます。
つまり、
仕事をしていたから起きたのか
私生活や持病が原因なのか
が厳しく判断されます。
■ 誤解①「長時間働いていれば必ず労災」
よくある誤解です。
確かに長時間労働は重要な判断材料ですが、
それだけで自動的に労災になるわけではありません。
例えば、
発症前の労働時間
仕事内容
責任の重さ
トラブルの有無
など、総合的に見られます。
■ 誤解②「会社が労災じゃないと言えば終わり」
これも間違いです。
労災認定をするのは、
会社ではなく
労働基準監督署(国)
です。
会社が否定しても、
証拠があれば労災と認められる可能性はあります。
■ 過労死の労災は大きく2種類に分かれる
労災認定基準は、主に次の2つに分かれます。
▼ ① 脳・心臓疾患(過労死ライン)
脳出血
心筋梗塞
くも膜下出血
などが該当します。
この場合、
発症前の労働時間
長時間労働の有無
が重要な判断材料になります。
▼ ② 精神疾患(過労自殺)
うつ病
適応障害
精神障害による自殺
などです。
この場合は、
強い心理的ストレス
パワハラ
長時間労働
配置転換
などが原因になっているかが見られます。
■ 労災認定は「証拠」で決まる
重要な現実です。
労災認定は、
かわいそうだから
大変そうだったから
では決まりません。
判断材料になるのは、
タイムカード
業務日報
メール
日記
メモ
同僚の証言
病院の記録
などの客観的資料です。
■ 遺族が申請しなければ始まらない
過労死の場合、
多くは本人が亡くなっているため、
遺族が労災申請をする
ことになります。
しかし、
何を出せばいいのか分からない
会社が協力しない
精神的につらい
という理由で、
申請できずに終わるケースも少なくありません。
■ 労災認定は「戦い」ではなく「制度」
労災申請というと、
会社と戦う
裁判のようなもの
と感じる方もいます。
しかし本来は、
国の保険制度を使う手続
です。
感情的な対立ではなく、
事実を積み上げる作業になります。
■ まとめ:労災になるかは「基準」と「証拠」で決まる
過労死が労災と認められるかどうかは、
長時間働いていたか
業務による強い負荷があったか
医学的に関連があるか
証拠があるか
で判断されます。
会社が認めるかどうかではなく、
国が基準に基づいて判断します。
★ お問い合わせ・ご相談について
当事務所では、
過労死が労災に当たるかの初期判断
脳・心臓疾患と精神疾患の違いの整理
労災申請の流れの説明
必要な証拠の確認
不服申立の可能性の検討
など、労災申請を検討している段階のご相談もお受けしています。
お電話・メールでお気軽にご相談ください。
「ブログを見た」とお伝えいただければ、状況に応じてご案内します。
