「まだ倒れていないから大丈夫」
「限界ってほどじゃない」
「もう少し頑張れる気がする」
過労死や過労自殺に至った方の多くが、
亡くなる直前まで、こう感じていた と言われています。
過労死の怖さは、
限界を超えた瞬間に突然起きるのではない
という点にあります。
体は少しずつ壊れている
心も少しずつ削られている
しかし本人の感覚だけが追いつかない
この記事では、
雇われる側が最低限知っておくべき
「過労死ライン」と呼ばれる基準
身体に出る危険サイン
心に出る危険サイン
「まだ大丈夫」が一番危ない理由
を、専門家の視点で整理します。
■ まず知っておきたい「過労死ライン」
▼ 過労死ラインとは何か
実務や労災認定でよく使われるのが、
いわゆる 「過労死ライン」 です。
一般的には、
月80時間超の時間外労働
または
月100時間前後の時間外労働
が、一つの大きな目安とされています。
▼ 「時間だけ」で判断されない点が重要
ここで注意してほしいのは、
過労死ライン=時間だけ
ではない、ということ。
深夜労働が多い
休みが取れていない
精神的負荷が極端に強い
こうした事情があれば、
80時間に満たなくても危険と判断される
ケースは珍しくありません。
■ 「自分は当てはまらない」と思いやすい理由
▼ ① 残業時間を正確に把握していない
サービス残業
持ち帰り仕事
自宅でのメール・チャット対応
これらを「仕事」と認識していない人は多い。
しかし、
実務ではすべて労働時間と見られる可能性があります。
▼ ② 周囲と比較してしまう
「もっと働いている人がいる」
「自分より大変な人もいる」
これは、
過労死問題で最も多い思考パターンです。
他人との比較は、
安全基準にはなりません。
■ 身体に出る危険サイン(見逃されやすい)
▼ ① 慢性的な睡眠不足
寝ても疲れが取れない
夜中に何度も目が覚める
休日に異常に寝てしまう
これは、
回復が追いついていないサインです。
▼ ② 動悸・息切れ・胸の違和感
階段で異常に息が上がる
心臓がドキドキする
胸が締め付けられる感じ
「ストレスのせい」で済ませがちですが、
循環器系の異常の前兆であることもあります。
▼ ③ 頭痛・めまい・吐き気
これらは、
自律神経の乱れ
脳・血管系の負荷
と関連することがあり、
過労死事案でもよく見られます。
■ 心に出る危険サイン(さらに気づきにくい)
▼ ① 何も楽しく感じない
以前好きだったことに興味がない
休日でも気が休まらない
これは単なる疲れではなく、
抑うつ状態の入り口であることがあります。
▼ ② 感情が平坦になる
怒りも喜びも薄い
何が起きても「どうでもいい」
強い落ち込みより、
この状態の方が自殺リスクは高い
とされることもあります。
▼ ③ 「迷惑をかけたくない」という思考
一見、優しさに見えますが、
助けを求めない
相談しない
一人で抱え込む
という行動につながりやすく、
非常に危険です。
■ 「まだ大丈夫」が一番危ない理由
過労の怖さは、
限界を判断する力そのものが落ちる
点にあります。
まだ働ける
まだ我慢できる
と感じている時点で、
実はもう危険域に入っている
ことも少なくありません。
■ 雇われる側が自分を守るためにできること
▼ ① 数字で自分の状況を見る
実労働時間
睡眠時間
休日の回復度
感覚ではなく、
数字で把握することが重要です。
▼ ② 「異変」は我慢しない
体調不良
気力の低下
思考の変化
これらは、
弱さではなく警告です。
▼ ③ 一人で抱え込まない
家族
友人
専門家
誰か一人でもいい。
外に出すことが、命を守る行動になります。
■ まとめ:過労死は「気づいた時点」で止められる
過労死や過労自殺は、
ある日突然起きるものではない
前兆は必ずある
そしてその前兆は、
本人が一番見落としやすい。
だからこそ、
「気づいた時点」で立ち止まることが、
何よりも大切です。
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