「本人は大丈夫だと言っていた」
「疲れてはいたけど、まさか命に関わるとは思わなかった」
「もっと早く気づいていれば…」
過労死や過労自殺の相談で、
家族や身内、友人から必ず聞く言葉です。
過労死の特徴のひとつは、
本人が“自分の異常さ”に気づけないまま進行すること。
まだ働けると思っている
迷惑をかけたくない
弱音を吐くのは甘えだと思っている
こうした心理が重なり、
本人よりも先に、周囲が危険を感じていた
というケースは決して珍しくありません。
この記事では、
なぜ本人は過労に気づけないのか
家族・友人・身内の立場だからこそ見えるサイン
見逃されやすい危険な変化
周囲ができる現実的な行動
を、雇われる側の視点に立って解説します。
■ なぜ本人は「限界」に気づけないのか
▼ 過労は“判断力”を奪う
過労は、
体力
気力
そして判断力
を、少しずつ確実に奪っていきます。
本人は、
まだ大丈夫
これくらい普通
みんなもっと頑張っている
と思い込むようになります。
これは根性論ではなく、
脳と神経が疲弊した結果です。
▼ 真面目な人ほど危ない
過労死・過労自殺に至る人の多くは、
責任感が強い
周囲に迷惑をかけたくない
弱音を吐かない
タイプです。
つまり、
「一番心配されにくい人」が一番危険
という逆説が起きます。
■ 家族・友人だからこそ気づける危険サイン
ここからが最重要ポイント。
▼ ① 会話の内容が変わる
仕事の話しかしなくなる
以前好きだった話題に反応しない
「忙しい」「疲れた」しか言わない
感情の幅が狭くなるのは、
過労・メンタル不調の典型的なサインです。
▼ ② 生活リズムが崩れている
食事を抜く
深夜・早朝でも仕事の連絡
休みの日も常に仕事のことを考えている
これは単なる忙しさではなく、
回復できない状態に入っている可能性があります。
▼ ③ 表情・反応が鈍くなる
笑わなくなる
返事が遅い、短い
目が合わない
本人は隠しているつもりでも、
周囲から見ると明らかに変わっていることがあります。
▼ ④ 「もうどうでもいい」に近い発言
特に注意すべき言葉。
「どうせ変わらない」
「自分がいなくても回る」
「迷惑かけたくない」
これは、
自殺リスクと強く結びつくサインです。
■ 本人が気づかないまま進行する過労死・過労自殺
過労死や過労自殺は、
強い絶望感
激しい感情爆発
ではなく、
静かに、淡々と進行するケース
も多い。
感情が平坦になる
苦しさを訴えなくなる
周囲を安心させるような言動をする
これは、
回復ではなく“諦め”に近い状態です。
■ 家族・友人ができる現実的な行動
「気づいたとして、何ができるのか」
ここが一番悩まれる部分です。
▼ ① 否定せずに話を聞く
「気のせいだ」
「甘えるな」
「みんな頑張ってる」
これらは、
本人をさらに追い込みます。
まずは、
「大変なんだね」
「心配してる」
と、事実と感情を受け止める。
▼ ② 「休め」と命令しない
正論でも、
「辞めろ」
「休め」
は、
本人の立場を考えると
恐怖でしかないこともあります。
代わりに、
相談先を一緒に探す
誰に話せばいいか考える
という“伴走”が重要です。
▼ ③ 外部の力を使うことをためらわない
医療機関
労基署
専門家相談
「本人が嫌がるから」
で何もしないことが、
最悪の結果につながることもあります。
■ 家族・身内が自分を責めなくていい理由
過労死・過労自殺のあと、
もっと言えばよかった
気づけたはずだ
と、
家族が自分を責め続けるケースは少なくありません。
しかし、
過労死は一人で防げる問題ではない
ということを、
どうか忘れないでください。
■ 雇われる側の命を守るのは「一人の力」ではない
本人
家族
友人
職場
社会
このどこか一つでも機能していれば、
防げたかもしれない命があります。
逆に言えば、
誰かが気づくこと自体に意味がある。
■ まとめ:気づいた「違和感」は、正しい
「大げさかもしれない」
「気にしすぎかもしれない」
そう思った違和感ほど、
実は正しいことが多い。
過労死は、
突然ではなく、
静かに近づいてきます。
その前兆に気づけるのは、
一緒に生きている人たちです。
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