「その日は忙しいから有給はダメと言われた」
「別の日にしてくれと一方的に変更された」
「会社には有給をずらす権利があるって本当?」
有給休暇の相談で非常に多いのが、
「会社に断られた」「勝手に変更された」
というケースです。
会社側はよく、
「時季変更権があるから」
「業務に支障が出るから」
と説明します。
しかし、
時季変更権は会社が自由に使える魔法の権限ではありません。
この記事では、
時季変更権とは何か
会社が使える条件
使えない典型例
「忙しい」は理由になるのか
を、現実ベースで整理します。
■ そもそも「時季変更権」とは何か
時季変更権とは、
労働者が指定した有給休暇の日を、
別の日に変更できる権利のことです。
ただし、
これはあくまで例外的な制度です。
原則は、
有給休暇は
労働者が指定した日に
取得できる
というルールです。
■ 時季変更権が使える条件
会社が時季変更権を使えるのは、
次の条件を満たす場合に限られます。
▼ 「事業の正常な運営を妨げる場合」
法律上の言葉は、
「事業の正常な運営を妨げる場合」
です。
単に、
忙しい
人が足りない
だけでは足りません。
■ 具体的に認められやすいケース
実務で、
時季変更権が認められやすいのは次のような場合です。
代替要員が確保できない
業務が完全に止まる
繁忙期の中心日
突発的な大量欠勤
など、
本当に業務が回らなくなる状況です。
■ 認められにくいケース
一方、次のような理由は弱いとされがちです。
「うちはいつも忙しい」
「人手不足だから無理」
「前例がないからダメ」
「上司が嫌がるから」
これらは、
時季変更権の正当な理由とは言えません。
■ 時季変更権の「正しい使い方」
時季変更権は、
「取らせない権利」
ではありません。
正しくは、
「別の日に変更する権利」
です。
つまり会社は、
代替日を提案する
取得自体は認める
必要があります。
「今回は取るな」
というだけでは、
時季変更権の行使とは言えません。
■ よくある会社側の誤解
▼ 「忙しい=時季変更できる」
→ いいえ。
忙しさの中身が問われます。
▼ 「上司の判断で自由に決められる」
→ 個人の感情や都合は理由になりません。
▼ 「有給は会社の許可制」
→ 有給は許可制ではなく、
原則は労働者の指定権です。
■ 労働者側がやりがちな誤解
▼ 「断られたら従うしかない」
必ずしもそうではありません。
時季変更権が
本当に成立する条件かどうか、
冷静に確認する必要があります。
▼ 「トラブルになるから諦める」
我慢を続けることで、
有給が事実上使えない職場になることもあります。
■ トラブルになりそうなときの考え方
感情的に対立するのではなく、
なぜその日がダメなのか
代替日はいつなら可能か
を、
具体的に確認することが重要です。
「全部ダメ」
という対応は、
適法とは言えない場合があります。
■ まとめ:時季変更権は「例外的な制度」
時季変更権は、
会社の便利な拒否権
有給を潰す権利
ではありません。
本当に業務が回らない場合の
例外的な調整ルールです。
「時季変更権」という言葉だけで、
有給を諦める必要はありません。
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