近年、「働き方改革」「健康経営」という言葉はビジネスの場で日常的に聞くようになりました。しかしその一方で、現場ではいまだに 「10連勤なんて普通」「休みが月に数回しか取れない」という状況が残っている という声も珍しくありません。
こうした実態を踏まえ、いま国が本気で動かそうとしているのが、
“連続勤務に上限をつける制度(連勤規制)” です。
この記事では、
なぜ連勤を法律で制限するのか
あくまで“検討段階”であるが、どこまで話が進んでいるのか
企業にとってどれほどインパクトがあるのか
働く人の生活はどう変わるのか
専門家として“現場ベースの視点”でわかりやすく解説していきます。
■ なぜ今「連続勤務の上限規制」が議論されているのか?
最大の理由は、“働き方そのものが時代とズレてきている” からです。
▼ 社会背景の変化
深刻な人手不足
夜勤・シフト勤務の常態化
副業や複数職場で働く人の増加
過労死ラインに近い働き方が依然として存在
メンタル不調による離職・休職が増加
現場のリアルは、
「法律で守らなければ、無限に働かせる状況が続いてしまう」
という危険性を含んでいます。
■ 連続勤務が続くと、具体的に何が危ないのか?
連勤は単純に“疲れる”だけではありません。医学的・心理的にもリスクが大きいことが示されています。
▼ 主なリスク
肉体疲労が蓄積し事故リスクが増える
判断力・集中力の低下(医療・介護などは特に重大)
認知機能が一時的に落ちる
不眠・情緒不安・うつ傾向
私生活が破綻し、関係性が崩れる
車や機械操作時の重大事故につながる
つまり、
「連勤は本人だけでなく社会にとっても危険」
という認識が強まっているわけです。
■ 海外ではすでに“連勤制限”が常識レベル
この問題、日本だけではありません。
EUではすでに勤務間インターバル11時間+週休義務が標準。
アメリカでも医療分野で“連勤禁止”が常識化しています。
国際基準を見ても、
「日本のシフト文化は少々ハードすぎる」
という評価が多いのが現実です。
■ 日本で検討されている“連勤上限”の中身
現段階ではあくまで“検討”レベルですが、有力な案として、
**● 13〜14日以上の連続勤務を禁止
● 14日以上働かせる場合は行政指導の対象
● シフト制企業に対する監督強化**
といった方向が議論されています。
※ まだ確定ではないものの、“時間の問題”という見解が多い。
■ 企業への影響は大きい? 小さい? どっち?
これははっきり言うと……
業界によって“めちゃくちゃ変わる” というのが現実。
▼ 影響が特に大きい業界
介護
医療
飲食
小売
警備
24時間営業(コールセンターなど)
運送
“ギリギリの人数で回していた現場”ほど、連勤上限は直撃します。
▼ 想定される企業側の対応
シフト再編
人員補充(可能なら…)
勤怠管理の見直し
無理な働かせ方を禁止する内部ルール作成
就業規則の改訂
特に中小企業では、連勤規制=現場崩壊リスクを生む可能性があるため、早い段階での対策が必要です。
■ 従業員側にとってはメリットが大きい
逆に働く人目線で見れば、この改正はかなり良い方向です。
▼ 従業員のメリット
過労や体調悪化のリスクが減る
「断れないシフト」が断りやすくなる
家庭生活・睡眠リズムが改善
メンタル不調の予防
事故・災害リスクの低下
実際、「連勤で倒れた」などの労災が毎年発生しているため、
“命を守る制度” と言っても過言ではありません。
■ “連勤規制はいつから?” → 結論:まだ確定していないが、早期導入が濃厚
現時点では、
報告書の段階
労政審で議論中
関連制度(インターバル義務化など)とセットで進む可能性大
という位置づけ。
ただし、
働き方改革の流れから見ても「導入は時間の問題」
と考えるのが自然です。
■ 企業が“今”やっておくべき準備
法改正が確定してから動くのでは遅いです。
特にシフト制の企業は 事前シミュレーションが命綱 になります。
▼ 準備しておくポイント
現在のシフトが“連勤何日”になっているか把握
人員配置に余裕があるか
急な欠勤・離脱に対応できるか
勤怠システムが追従できるか
現場責任者にルールの徹底を教育
就業規則を改定する準備
この制度は**“直前切り替え”が一番危険**なので、早めの対応が企業を守ります。
■ まとめ:連勤規制は「働き方の安全基準」を作る一歩
この制度は、
“働く人の健康を最低限守るための保護ライン”
として非常に重要です。
もちろん企業側には大きな負担もありますが、
長期的に見れば“離職防止”“事故防止”“採用改善”につながる可能性も高い。
動向を注視しながらも、
いまのうちに現場を見直しておくだけでも、施行後の混乱を大幅に減らすことができます。
