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連続勤務の上限規制は2026年に導入される?|労働基準法改正の背景と企業・従業員への具体的影響を徹底解説

日野アビリティ法律事務所

近年、「働き方改革」「健康経営」という言葉はビジネスの場で日常的に聞くようになりました。しかしその一方で、現場ではいまだに 「10連勤なんて普通」「休みが月に数回しか取れない」という状況が残っている という声も珍しくありません。

こうした実態を踏まえ、いま国が本気で動かそうとしているのが、

“連続勤務に上限をつける制度(連勤規制)” です。

この記事では、

なぜ連勤を法律で制限するのか

あくまで“検討段階”であるが、どこまで話が進んでいるのか

企業にとってどれほどインパクトがあるのか

働く人の生活はどう変わるのか

専門家として“現場ベースの視点”でわかりやすく解説していきます。

■ なぜ今「連続勤務の上限規制」が議論されているのか?

最大の理由は、“働き方そのものが時代とズレてきている” からです。

▼ 社会背景の変化

深刻な人手不足

夜勤・シフト勤務の常態化

副業や複数職場で働く人の増加

過労死ラインに近い働き方が依然として存在

メンタル不調による離職・休職が増加

現場のリアルは、

「法律で守らなければ、無限に働かせる状況が続いてしまう」

という危険性を含んでいます。

■ 連続勤務が続くと、具体的に何が危ないのか?

連勤は単純に“疲れる”だけではありません。医学的・心理的にもリスクが大きいことが示されています。

▼ 主なリスク

肉体疲労が蓄積し事故リスクが増える

判断力・集中力の低下(医療・介護などは特に重大)

認知機能が一時的に落ちる

不眠・情緒不安・うつ傾向

私生活が破綻し、関係性が崩れる

車や機械操作時の重大事故につながる

つまり、

「連勤は本人だけでなく社会にとっても危険」

という認識が強まっているわけです。

■ 海外ではすでに“連勤制限”が常識レベル

この問題、日本だけではありません。

EUではすでに勤務間インターバル11時間+週休義務が標準。

アメリカでも医療分野で“連勤禁止”が常識化しています。

国際基準を見ても、

「日本のシフト文化は少々ハードすぎる」

という評価が多いのが現実です。

■ 日本で検討されている“連勤上限”の中身

現段階ではあくまで“検討”レベルですが、有力な案として、

**● 13〜14日以上の連続勤務を禁止

● 14日以上働かせる場合は行政指導の対象

● シフト制企業に対する監督強化**

といった方向が議論されています。

※ まだ確定ではないものの、“時間の問題”という見解が多い。

■ 企業への影響は大きい? 小さい? どっち?

これははっきり言うと……

業界によって“めちゃくちゃ変わる” というのが現実。

▼ 影響が特に大きい業界

介護

医療

飲食

小売

警備

24時間営業(コールセンターなど)

運送

“ギリギリの人数で回していた現場”ほど、連勤上限は直撃します。

▼ 想定される企業側の対応

シフト再編

人員補充(可能なら…)

勤怠管理の見直し

無理な働かせ方を禁止する内部ルール作成

就業規則の改訂

特に中小企業では、連勤規制=現場崩壊リスクを生む可能性があるため、早い段階での対策が必要です。

■ 従業員側にとってはメリットが大きい

逆に働く人目線で見れば、この改正はかなり良い方向です。

▼ 従業員のメリット

過労や体調悪化のリスクが減る

「断れないシフト」が断りやすくなる

家庭生活・睡眠リズムが改善

メンタル不調の予防

事故・災害リスクの低下

実際、「連勤で倒れた」などの労災が毎年発生しているため、

“命を守る制度” と言っても過言ではありません。

■ “連勤規制はいつから?” → 結論:まだ確定していないが、早期導入が濃厚

現時点では、

報告書の段階

労政審で議論中

関連制度(インターバル義務化など)とセットで進む可能性大

という位置づけ。

ただし、

働き方改革の流れから見ても「導入は時間の問題」

と考えるのが自然です。

■ 企業が“今”やっておくべき準備

法改正が確定してから動くのでは遅いです。

特にシフト制の企業は 事前シミュレーションが命綱 になります。

▼ 準備しておくポイント

現在のシフトが“連勤何日”になっているか把握

人員配置に余裕があるか

急な欠勤・離脱に対応できるか

勤怠システムが追従できるか

現場責任者にルールの徹底を教育

就業規則を改定する準備

この制度は**“直前切り替え”が一番危険**なので、早めの対応が企業を守ります。

■ まとめ:連勤規制は「働き方の安全基準」を作る一歩

この制度は、

“働く人の健康を最低限守るための保護ライン”

として非常に重要です。

もちろん企業側には大きな負担もありますが、

長期的に見れば“離職防止”“事故防止”“採用改善”につながる可能性も高い。

動向を注視しながらも、

いまのうちに現場を見直しておくだけでも、施行後の混乱を大幅に減らすことができます。

 

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