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安全配慮義務違反とは?会社の責任が認められるケースと判断基準を解説

日野アビリティ法律事務所

「会社の対応が不十分だったためにケガや病気になった。」

「長時間労働を続けた結果、体調を崩してしまった。」

「安全配慮義務違反はどのような場合に認められるの?」

労働契約法第5条では、

会社は労働者が生命や身体などの安全を確保しながら働けるよう、

必要な配慮を行う義務を負うと定められています。

もっとも、

事故や病気が発生したからといって、

直ちに会社の責任が認められるわけではありません。

安全配慮義務違反が成立するかどうかは、

会社が危険を予見できたか、

事故や健康被害を防ぐために必要な措置を講じていたかなど、

様々な事情を総合的に判断して決められます。

この記事では、

安全配慮義務違反が問題となる代表的なケースと、

裁判で重視される判断基準について解説します。

■ 安全配慮義務違反とは

安全配慮義務違反とは、

会社が労働者の安全や健康を守るために必要な措置を講じなかった結果、

労働者に損害が生じた場合に問題となるものです。

会社には、

危険を予防するための適切な対応が求められます。

その義務を怠った場合には、

損害賠償責任を負う可能性があります。

■ 危険を予見できたか

裁判では、

会社が事故や健康被害を予見できたかどうかが重要になります。

例えば、

長時間労働が何か月も続いていた、

体調不良を繰り返し訴えていた、

職場内で危険な設備の故障が放置されていたなど、

危険を把握できる事情があれば、

会社の責任が認められやすくなります。

■ 防止措置を講じていたか

危険を予見できたとしても、

会社が適切な対策を講じていたかどうかも重要です。

例えば、

労働時間を適切に管理していたか、

安全教育を実施していたか、

危険な設備を点検・修理していたか、

産業医と連携して健康管理を行っていたかなどが判断材料になります。

■ 長時間労働の場合

安全配慮義務違反が問題となる代表例が、

長時間労働です。

恒常的な残業や休日労働によって、

疲労が蓄積し、

脳・心臓疾患や精神疾患を発症する危険性があります。

会社が長時間労働を把握しながら放置していた場合には、

安全配慮義務違反が認められる可能性があります。

■ ハラスメントの場合

パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントも、

安全配慮義務違反の問題となることがあります。

会社は、

相談窓口を設置するだけではなく、

相談があった場合には事実確認を行い、

被害の拡大を防ぐための適切な対応を取ることが求められます。

対応を怠った場合には、

会社の責任が認められることがあります。

■ 労働災害の場合

工場や建設現場、

物流現場などでは、

機械設備や作業環境に起因する事故が発生することがあります。

会社は、

安全設備の設置、

保護具の支給、

作業手順の整備、

安全教育などを適切に実施する必要があります。

これらを怠った結果、

事故が発生した場合には、

安全配慮義務違反が問題となります。

■ メンタルヘルスへの対応

近年では、

精神疾患に関する安全配慮義務も重要視されています。

労働者が不眠、

強いストレス、

体調不良などを訴えているにもかかわらず、

会社が何ら対応を行わなかった場合には、

責任が認められる可能性があります。

■ よくある誤解①

「事故が起きれば必ず会社が責任を負う」

事故や病気が発生しただけでは、

安全配慮義務違反は成立しません。

会社が危険を予見できたか、

必要な措置を講じていたかなどを踏まえ、

個別具体的に判断されます。

■ よくある誤解②

「会社が安全マニュアルを作っていれば責任はない」

安全マニュアルを整備しているだけでは十分ではありません。

実際に教育が行われていたか、

ルールが守られていたか、

問題発生時に適切な対応が取られていたかも重要になります。

■ 実務で重要なこと

安全配慮義務違反では、

会社が危険を認識していた、または認識できたにもかかわらず、必要な対応を行わなかったかどうかが大きなポイントとなります。

労働時間の記録、

健康診断結果、

医師の意見書、

ハラスメントの相談記録、

社内メール、

業務日報などは、

会社の対応状況を判断する重要な証拠となることがあります。

労働者としても、

体調不良や危険な状況を会社へ報告した記録を残しておくことが、

後の紛争において重要になります。

■ まとめ

安全配慮義務違反は、

会社が労働者の安全や健康を守るために必要な措置を怠った場合に問題となります。

事故や病気が発生したという結果だけではなく、

危険を予見できたか、

適切な防止措置を講じていたかなどを総合的に検討して判断されます。

安全配慮義務違反が疑われる場合には、

会社の対応や当時の状況を整理し、

必要な証拠を確保したうえで、

専門家へ相談することが重要です。

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