「会社から『ノーワーク・ノーペイだから給料は出ません』と言われた。」
「働いていないのだから当然だと言われた。」
「本当に会社の説明は正しいの?」
労働問題では、
会社が
「ノーワーク・ノーペイの原則」
を理由に、
賃金を支払わないと説明する場面があります。
しかし、
その説明がすべて正しいとは限りません。
ノーワーク・ノーペイの原則は、
労働法上の基本原則ではありますが、
例外も多く、
個別の事情を踏まえて判断する必要があります。
この記事では、
会社がよく誤解しやすいポイントについて解説します。
■ ノーワーク・ノーペイは万能ではない
まず理解しておきたいのは、
ノーワーク・ノーペイは、
あくまでも原則であるということです。
働けなかった理由によっては、
賃金や休業手当を請求できる場合があります。
そのため、
会社がこの言葉を使ったからといって、
直ちに支払義務がないとはいえません。
■ 誤解① 「会社が休ませても給料は出ない」
これは誤りです。
会社都合による休業では、
労働基準法第26条に基づき、
休業手当の支払いが必要となる場合があります。
会社が一方的に仕事を与えなかったのであれば、
ノーワーク・ノーペイの原則がそのまま適用されるわけではありません。
■ 誤解② 「違法解雇でも働いていないから給料は出ない」
これも誤りです。
違法解雇が無効と判断された場合には、
労働契約は継続していたことになります。
労働者に働く意思と能力があったにもかかわらず、
会社が就労を拒否していたのであれば、
バックペイ(解雇期間中の賃金)が認められる可能性があります。
■ 誤解③ 「自宅待機だから賃金は不要」
会社が業務上の判断で自宅待機を命じた場合には、
その理由によっては、
賃金や休業手当の支払いが必要になることがあります。
「自宅にいる=給料が出ない」
とは一概にはいえません。
■ 誤解④ 「病気なら何も補償されない」
病気やケガで欠勤した場合は、
原則として賃金は発生しません。
しかし、
傷病手当金や会社独自の休職制度など、
利用できる制度があります。
「給与がない=何も受け取れない」
というわけではありません。
■ 誤解⑤ 「会社が決めたルールだから従うしかない」
就業規則は重要ですが、
法律に反する内容や運用は認められません。
会社のルールであっても、
労働基準法や労働契約法などに反する場合には、
その効力が問題となることがあります。
■ 大切なのは「働けなかった理由」
シリーズを通して最も重要なポイントです。
ノーワーク・ノーペイが適用されるかどうかは、
「働かなかった」という結果ではなく、「なぜ働けなかったのか」
によって決まります。
会社都合なのか、
本人都合なのか、
病気なのか、
違法な処分なのか。
ここを整理しなければ、
正しい結論にはたどり着けません。
■ 会社の説明をうのみにしない
会社から
「法律で決まっている」
と言われることがあります。
しかし、
法律は個別事情を踏まえて適用されます。
説明に疑問を感じた場合には、
就業規則や労働契約書を確認し、
必要に応じて専門家へ相談することも重要です。
■ よくある誤解①
「ノーワーク・ノーペイなら例外は一切ない」
実際には、
会社都合による休業、
違法解雇、
無効な出勤停止など、
例外は数多く存在します。
■ よくある誤解②
「会社が『法律だから』と言えば従うしかない」
会社の説明が常に正しいとは限りません。
法律や裁判例に照らして、
適切かどうかを検討する必要があります。
■ 実務で重要なこと
賃金が支払われない場合には、
まず
「なぜ働けなかったのか」
を整理することが重要です。
そのうえで、
会社都合なのか、
本人都合なのか、
法律上の例外に当たるのかを確認しましょう。
また、
会社とのやり取りや通知書、
勤務表などは保存しておくことで、
後の交渉や手続に役立ちます。
■ まとめ
ノーワーク・ノーペイの原則は、
働かなければ賃金が発生しないという基本的な考え方です。
しかし、
会社都合による休業や違法解雇など、
例外となるケースも数多くあります。
会社の説明だけで判断せず、
働けなかった理由を整理し、
適用される法律や制度を確認することが重要です。
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