「台風で会社が休みになった。」
「感染症にかかって出勤停止になった。」
「ストライキに参加したら給料はもらえないの?」
ノーワーク・ノーペイの原則は、
「働かなければ賃金は発生しない」
という労働法の基本的な考え方です。
しかし、
実際には、
働けなかった理由が様々であるため、
すべてを同じように扱うことはできません。
自然災害、
感染症、
ストライキなどでは、
それぞれ異なる法律や考え方が適用されます。
この記事では、
特殊な事情で働けなかった場合の賃金の取扱いについて解説します。
■ まず考えるべきこと
最も重要なのは、
「なぜ働けなかったのか」
という点です。
ノーワーク・ノーペイが適用されるかどうかは、
働けなかった理由によって異なります。
■ 台風や地震などの自然災害
台風や地震などの自然災害では、
会社にも労働者にも責任がない場合があります。
このようなケースでは、
労働基準法第26条の休業手当が当然に発生するとは限りません。
もっとも、
会社の判断で営業を休止した場合や、
休業の原因が会社側にあると評価される場合には、
休業手当の支払いが必要となることもあります。
個別の事情によって結論が異なるため、
一律には判断できません。
■ 感染症による欠勤
感染症の場合は、
欠勤の理由によって取扱いが異なります。
例えば、
本人が病気になって働けない場合は、
原則としてノーワーク・ノーペイとなりますが、
傷病手当金などの制度を利用できる場合があります。
一方、
会社が感染拡大防止のために出勤停止を命じた場合は、
その理由や状況によって、
休業手当の支払いが必要となることもあります。
■ ストライキの場合
ストライキは、
労働者が自ら労務の提供を停止する行為です。
そのため、
適法なストライキ中は、
原則としてノーワーク・ノーペイとなり、
その期間の賃金請求権は発生しません。
もっとも、
ストライキが違法であるか、
会社側の対応が適切かなど、
個別に検討が必要となる場面もあります。
■ 公共交通機関が止まった場合
電車やバスが止まり、
会社へ行けなくなった場合も、
事情によって判断が異なります。
出勤するために合理的な努力を尽くしたか、
会社がどのような指示をしていたかなど、
具体的な事情を踏まえて検討する必要があります。
近年では、
テレワークが可能な業務であれば、
在宅勤務への切替えが行われるケースも増えています。
■ 会社が独自に給与を支払うこともある
法律上は賃金支払義務がない場合でも、
会社の福利厚生や就業規則により、
特別有給休暇や災害時の特別休暇を設けていることがあります。
まずは、
就業規則や社内制度を確認してみましょう。
■ 一律に判断できない
ここが重要です。
同じ「休み」でも、
その理由が違えば、
適用される法律や制度も変わります。
そのため、
「働いていないから給料は出ない」
と一律に考えるのは適切ではありません。
■ よくある誤解①
「台風で休みなら会社は必ず給料を払わなければならない」
自然災害の場合は、
原因や会社の対応によって結論が異なります。
休業手当が当然に発生するとは限りません。
■ よくある誤解②
「感染症なら必ず傷病手当金が出る」
傷病手当金には、
健康保険の加入状況や、
医師の証明、
給与が支払われていないことなど、
一定の支給要件があります。
すべての場合に支給されるわけではありません。
■ 実務で重要なこと
特殊な事情で働けなかった場合は、
原因が誰にあるのか
を整理することが重要です。
会社の指示、
行政からの要請、
本人の病気、
自然災害など、
事情によって適用される制度が異なります。
会社から説明を受けた場合は、
その理由を書面やメールで確認し、
疑問があれば早めに相談することをおすすめします。
■ まとめ
ストライキ、
自然災害、
感染症などで働けなかった場合には、
ノーワーク・ノーペイの原則がそのまま適用されるとは限りません。
働けなかった理由によって、
休業手当、
傷病手当金、
会社独自の制度など、
利用できる制度が異なります。
事情を整理し、
自分に適用される制度を確認することが、
適切な解決につながります。
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